2010年5月13日木曜日

【ホンヨミ!】0514①ウィキノミクス【金光】

『ウィキノミクス』
本書は、オープン性・ピアリング・共有・グローバルな行動 を四本柱に掲げている。
そしてその一方で変わらないものとして、「人類の英知を取り入れ、それを新しく有益な製品に転換できた組織や社会が勝つ」としている。これには私も同感だ。
確かに上の四つの柱による恩恵は大きいが、それはそれを取り入れるベースとなる組織や社会が構築されての四本柱だと感じた。また、なんでもオープン化するのではなく、自社が押さえるべきところはしっかり押さえることがもちろん求められる。たとえば制薬会社の場合、最終的な特許は自分で確保するなどだ。
物理的に社会に何かを生みだすためには特に、元々の基盤がしっかりと必要だと思った。元々あるけれ活かしきれていないものの新たな活用法としてインターネットをうまく利用するのが良い方法ではないか。インターネットは既存のものをネット上で整理して使いやすく組み合わせたり、付加価値をつけたりすることにはとても優れているけれど、新しく「物」として何かを社会に還元することには向いていないなと思っていたからだ。
(だから、まだあまり一般化されていないとはいえ、「世界工場」という取り組みには驚いた。)

私はまず最初にオープン化はじめ、ウィキノミクスで言われていることって本当にそんなに万能なんだろうか?という発想で読んでいた。もちろん具体例が豊富で説得力は抜群なのだが、どれにでも当てはまるものではないだろうという理由からマイナスの目で考えていた。けれど、確かにどの分野にも万能ではないにせよ、今まで眠らされていた多くのものを利用可能にしたり、相乗効果を生んだことは確かだ。筆者としても、ウィキノミクスで全てを解決しようと思っているのではなく、利用できる組織・社会は、この新たな波を使わない手はないよ、というメッセージを伝えたい本なんだ、と理解して納得した。

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