2010年5月7日金曜日

【ホンヨミ】0507①電波利権【村山】

本書は、「電波」に焦点を当て、電波利用の現状や問題点などを指摘しつつ、近年、話題になってきている「通信と放送の融合」にまで幅広く言及している。

電波が、政府によって免許を与えられた通信企業に割り当てられていることは知っていたが(電波配給制度という)、利用の用途や出力などまで規制されていることは知らなかったので、率直に驚いた。原口総務大臣が電波の競売制導入の是非について検討しているようだが、テレビ局を始め通信会社が、このテーマを扱わないのもうなずける。下手なことを言ってしまったら、電波の割当を減らされるかもしれないからだ。

また、電波を利用している主体として、通信企業、特に携帯電話について言及している箇所がある。何でも、携帯電話ユーザーが利用している電波は全体の、たった一割でしかないにも関わらず、電波利用料の九割を払っている、というのである。この現状には大きな疑問を感じた。さらに、携帯電話ユーザーが九割を払っている電波利用料の大部分が、地上デジタル放送(つまり、放送局)の設備構築のために使用されているというのである。このような事実も全くの初見だったので、「感覚的におかしい」とは思うものの、なぜおかしいのかを、知識がないため、論理的に説明することが出来ない自分がいた。これは悔しいことであるが、同時に新たに取り組もうと思える分野の発見でもあったので、今後もこの分野の知識や考え方などを勉強していきたいと思う。

通信と放送は、今まで取り組んだことの無い分野だったので、正直読みにくかったし、理解しきれていない部分が多いと思う。改めて、本書と関連の著書を読むと共に、この分野は金先生の専門分野だと思うので、是非とも先生に講義をして頂きたいと思わざるを得なかった。

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