2010年5月7日金曜日

【ホンヨミ!0507①】ネットがテレビを飲み込む日【長澤】

『ネットがテレビを飲み込む日』(洋泉社)


通信と放送の融合という言葉をよく耳にするようになった。だが、両者の違いは何なのか。私にとってどちらも大差ないように思えた。著者は本書で結局「放送はもともと通信の一部である」と述べている。ただ、両者の生い立ちが違うという理由から別々のものとして捉えられているのだ。

前回のゼミで取り上げられていた著作権についても考えてみた。著作権は通信と放送の融合を阻害しているのか、否か。現在の日本では、NHKだけでなく民放も電波の免許を総務省に握られ、政府によって管理されている。やはり著作権は通信と放送の融合を阻害しているのではないか、と私は考える。もう少し規制を緩めてもよいのではないだろうか。
しかし、著作権が一概に悪者ともいえないのも事実である。そこで、提案されているのが著作権を保護する新しい仕組みづくりである。それは、①自主登録制度として機能する。②権利保護期間の上限を特許権程度に制限する。③著者の意思で可変に設定できるようにする。④日付まで管理する。というものである。このような新しい仕組みが確立すれば、著作権のために通信と放送の融合が阻害されるということもなくなるだろう。

テレビに明日はあるのか。以前に読んだ本でも同様のテーマが扱われていた。21世紀に入り、日本ではインターネットが普及してきた。それに比例するかのように、テレビの影響力は衰えてきた。広告市場で最大シェアを占めるテレビの営業収入も横ばいになってきている。そのテレビにとって代わるかのように、インターネットによる広告は急速に増えてきている。今現在すでにラジオを抜いており、あと10年もするとテレビを抜くのではないかとまでいわれている。このようにテレビの影響力が衰えてきた今だからこそ、もっと積極的に「通信と放送の融合」案について議論されるべきではないだろうか。

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