2010年5月7日金曜日

【ホンヨミ!0507①】発想する会社!【栫井】

発想する会社!/トム・ケリー

画期的なアイディアはどのようにして生まれるのか?私たちの日々の行動を変えてしまう商品は、どのようなプロセスを経て創出されるのか?
デザインコンサルティングファーム・IDEOでは、イノベーション文化を体系化して実現している。その全貌が書かれたのが本書である。
読んでいくうちに感じたのは、当たり前のことを当たり前以上にやっているということだった。顧客を観察する、ブレインストーミングでアイディア出しをする、実験してみる。だが、普通にそれらをやったところでは新しいアイディアは日常的には生まれない。IDEOが行うようなイノベーション技法を実践してみると、彼らの徹底的な方法論が存外に難しいことに気づく。
ブレインストーミングひとつをとっても、人の出したアイディアを批判したくなったり、やっていくうちに焦点がずれていったり、停滞を止められなかったり。
IDEOのやり方で、私が一番素敵に感じたのは、従業員にいかに楽しくプロジェクトに参加してもらうかよくよく考えていることである。たとえば、IDEOではオフィスはただの仕事場ではない。社員と会社、関係者すべてを巻き込んだ物語をつむぐ場所だ。顧客に素晴らしい体験をプレゼントするためには、自分たちのオフィスでの体験も素晴らしく楽しいものでなくてはならない。また、顧客に信用される商品を作るためには、従業員とリーダーの信頼関係も必須だ。顧客の人生を豊かにする企業の社員の関係が豊かでないなど、本来あってはならないことなのだ。
IDEOの方法はいくつかの本で知っており、顧客との関係形成の点でも大変参考になることが多かったが、本書では特に企業としてのモチベーション形成の方法について学ぶことが多かった。
私の夢は、誰かの生活に幸せを付加できるモノを創ることだが、そのためのプロジェクトもメンバーの生活に幸せを付加できるものにしたいと思うようになった。

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