2010年5月5日水曜日

[ホンヨミ!]0507②トランスナショナル時代のデジタル・コンテンツ[矢部]

この本は第8章まであるので、第5章の「映像コンテンツの海外と他媒体への展開 内山 隆(執筆者)」について書評を書こうと思う。

近年、特に映像コンテンツのブームが激しい。各国、自国のコンテンツを国際的に展開しようと努力を試みている。その背景としては、IT振興が大きな理由としてあがるだろう。しかし、そのためには流通・配給・伝送部門といった伝送路事業者を介する”流通チャネル”の理解が必要であるのだ。つまりマーケティングの視点から映像コンテンツについて考えている。

実際に、日本の映像コンテンツで国際競争力を発揮してるものといえば、ゲーム・アニメであろう。特にゲームの勢いは目を見張るものがある。メディア・ソフト(映画・ゲーム・音楽・雑誌・書籍)別の輸出入の状況を見ても一目瞭然で、ゲームの輸出は群を抜いて高い。他方で、映画やTV番組はまだ国内に留まるという現状である。前述の国内で市場を拡大する映像コンテンツを所有する人たちに対して、その映像コンテンツの供給(二次利用)が求められているのだ。

しかし事業者自身にとってみれば、国際市場の拡大が、政府や国民が思うほどでもないというのが現状なのである。もちろん、著作権処理上の問題がスムーズに進むのであれば、より活発になるのは間違いないだろう。簡単に言ってしまえば、日本の映画やTV番組というのが国内市場での競争力を強めようとする事業モデルなのである。日本のアニメ(ポケモン)もしくは世界的に評価の高い宮崎駿作品でもハリウッド製(いくら日本を舞台にしたラスト・サムライでも)には輸出力で勝てないのである。映画輸出額で世界と比較しても然りである。

だが、この映画・放送の国内市場規模というものは世界では第2位という驚くべき順位に位置づけられる。つまり、元々このような大きい国際市場、小さな国内市場という構図でできあがっていたのである。

とても書かれていることは難しく、理解するのにも時間を要するが、関連させている事項がとても面白い。例えば、今回は、商業と映像コンテンツの様に。しかし、章によっては、時代的に2、3年前の本なので違和感を感じ、読んでも分かりにくい部分もあると思うので、選択しながら読んでも良いかもしれない。

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