2010年4月24日土曜日

【ホンヨミ!】世界を変えるデザインーものづくりには夢がある【0430①栫井】

世界を変えるデザイン/シンシア・スミス他(原題は「Design for the Other 90%」)


まず、ここにおけるデザインの定義は、「意識的に問題を解決するもの」。もちろん理由ない装飾のことではないし、消費を促すためのものでもない。
いたずらに世に生み出されて行く消費財の恩恵を受けているのは、世界のたった10%に過ぎない。残りの90%の人たちが本当に求めているものを大抵の生産者は考えていない。
残りの90%の人たちに必要なものは、どのように作られ、普及し、人々の生活を支え、彼らが自立する足がかりになるべきか、そのプロセスや哲学を書いた本だ。

デザイン思考は、人間中心のモノ開発。
本書を読んで、あまりにも自分中心のものの考え方をしてしまっている自分に気づいた。世界にモノは溢れてしまっている、と私は考えていたし、モノの次のことを考えてもいた。だが、モノが足りない・使われていないところは確かに存在しているのだ。格差とか貧困とか、正直私自身の興味から外れていることだけれど、ローカルで人間中心の考えはもっと持つべきだった。
私にとっての当たり前が当たり前でない人もいる。それも想像以上にたくさん。
私たちにとってはあまりにも当たり前で陳腐なものは、実は誰かにとっては生死に関わるものになることがある。
ものによって、誰かの人生がとてもとても大きく変わるということを忘れてしまわないこと。もっと胸に刻まなくてはならない。

私たちは自分が生きている社会の消費⇔生産のサイクルに身を置いたまま、自分の力でサイクルを変えることを知らない。
だが、各々が自ら果たす役割とその力について認識することで、全ての消費・生産に関わる関係が変わっていくチャンスが生まれる、と本書は云う。
まず無意識に看過していたことを意識すること。
デザイン思考に必要なものを、再度知ることが出来た。


ちなみにこの本の内容が、5月〜6月に六本木で開催されるらしい。
世界を変えるデザイン展。行ってみようと思います。
http://exhibition.bop-design.com/

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1冊以上、とのことだったので。購入した本はのちほどアップします!

1 件のコメント:

  1. 現代の"デザイン"というと、先進国のみが享受する洗練されたもの、というイメージが強かったのですが、このような発展途上国にも応用されると知って新鮮でした。確かに世界の100%の人が"デザイン"を享受できたら良いですよね!!
    私は貧困問題等疎いのですが、面白そうなので、そのデザイン展言ってみようと思いました!!

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