2010年4月24日土曜日

【ホンヨミ!】0430①明日の広告【高橋】

明日の広告~変化した消費者とコミュニケーションする方法~/佐藤尚之


本著は著者自身が広告会社に勤めていることもあり、具体的経験を多用して近い将来、即ち「明日」の広告について自身の考えを述べている。

昔に比べてネットの方が何よりも先を行く時代。当然消費者はCMや広告だけで消費をする存在ではなくなり、ほぼ必ずといっていいほどクチコミなどをネットでチェックする、実に疑い深い存在へと変わってしまった。そこで、広告を制作する側が心がけるべきことは、変化した消費者同様、制作側も変わる必要があるということ。

では、どう変化するのか。それは、消費者本位の視点を徹底的に身につけること。制作側としてしか考えられない広告は消費者の胸に届くはずがない。また、クチコミなどが重視されている現代では商品丸裸の時代といっても過言ではなく、もはや長所だけ並べたメッセージは消費者の心を揺さぶらなくなっている。いまは広告は宣伝商品の良いところも悪いところもさらけ出し、まず消費者の信頼を得ることから始まると云う。

ネットの出現やHDDレコーダーの出現によりCMが危機的状況にあるとされている現代。一見広告業界の先行きが不透明な時代になってしまったように感じるが、著者は「あらゆるメディア媒体があふれていてエキサイティングな時代になったものだ」と、プラスに考えることを説いている。
もともと、広告とは見るものを楽しい気持ちにさせてくれたりする明るいものである。制作側が沈んでいてはそれを見た人だって明るい気持ちにはなれなくて、消費も促せない。

何気なく目にしていた広告が実は深い意味を持っていて、それはまるで消費者を試しているかのような広告もある。そうしたものは、綿密に狙ったターゲットのことを分析して深く考えてあるが故にできる産物であるということを本著を読んで知ることができた。そして、いかに次世代メディアを生かして人々の心に届く広告作りをしていくべきかについても学ぶことができた。

0 件のコメント:

コメントを投稿