2010年4月26日月曜日

【ホンヨミ!】0430②ハイ・コンセプト【高橋】

ハイ・コンセプト~「新しいこと」を考え出す人の時代~ ダニエル・ピンク(著) 大前研一(訳)


コンピューターが弁護士や会計士などの仕事もできるようになってしまった現代、私たちは機械にはできない、創造性に富んだ思考力、即ち「バランスのとれた右脳プラス左脳思考」が現代では求められていると云う。
ダニエル・ピンク自身は「左脳型人間」だ。しかし彼は左脳の重要性に着眼点を置き、脳科学的アプローチをとる一方で芸術面などにも目を向け、新しい発想には右脳が不可欠だと論じている。
彼曰く、デザインとはビジネスであり、ビジネスとはデザインであると云う。つまり両者も未来を「設計」できるということなのである。

教養を深めるということは、決して単に机に向かうことだけではない。創造力、オリジナリティーが求められる現代、音楽や芸術にも触れ、感受性豊かな人間を目指していくべきなのである。
仕事にも人生にも「遊び」は必要で、切り捨ててはならないものであるとダニエル・ピンクは云う。心の豊かさを私たちは大事にしなくてはならないのだ。その心の豊かさは他人への「共感」へと繋がり、その共感こそがハイ・コンセプトの時代に重要となる「中世的思考」へと導いてくれるのである。
本書では、著者が勧める関連ウェブサイトや出版物が紹介されており、興味をそそられるものばかりである。少なくともひとつは実際に試してみる価値は十分にあるだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿