2010年4月30日金曜日

【ホンヨミ!0430③】インターネットの新世代【栫井】

インターネットの新世代/村井純

インターネットの父と称される筆者だけに、インターネットの仕組みがわかりやすく書かれていた。
今までの独立したネットワークシステムからユビキタスな(普遍的な)ネットワークシステムに移行する様子が出来上がりつつある。
インターネットの特質は「繋がる」こと。この特質が現実のものとなり、全世界に広がったとき、インターネット内外の世界が大きく変化する。
従来は金融・物流・医療・教育などが独立して成長していっていたが、インターネットがそれぞれの分野に入り込む過程で、それぞれの長所をより活かし合う、よりマクロな構造が構築されつつある。
そこには長所だけがあるわけではなく、デジタルならではの共通性・グローバル性がより実現された世界では、現在インターネットの中にあるような問題点が全世界に広がってしまう。
たとえば、共通でグローバルであるとはいえ、どこかに強大なハブが出来てしまえば、ひとつのトラブルが全世界レベルに波及してしまうのだ。筆者はこれを9.11時のインターネット問題を挙げて説明している。

繋がった世界の実現は、わたしたちに恩恵と同時に更なる課題をもたらす。
この流れによって何が可能になるのか、技術レベルではなくビジョンレベル・哲学レベルで考えなくてはならない。

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