2010年6月4日金曜日

【ホンヨミ!0604①】ジャーナリズム崩壊【長澤】

『ジャーナリズム崩壊』 上杉 隆 (幻冬舎新書)

そもそも「日本にジャーナリズムは存在するのか」という点からこの本は始まっている。
日本のジャーナリズムというものは、いわゆる海外のジャーナリズム(=単に時事的な事象を報じるだけではなく、さらにもう一歩進んで解説や批評を加える活動)とは異なる。ただ時事的な事象を報じるだけで、速報性がその最優先業務とされているのだ。はたしてこれがジャーナリズムと言えるのだろうか。

また、日本特有の慣習である「記者クラブ制度」についても述べられている。
首相へのインタビューを行うにあたっても、事前に同業者(=記者クラブ)の許可が必要だというのである。いくらインタビューされる側(=今回の例では首相)が許可をしても、記者クラブの許可が出なければインタビューが出来ないというのはジャーナリズムのルールにのっとっていないのではないか。報道の自由が奪われているのではないか。特に外国人記者やフリーの記者が、この「記者クラブ制度」によって報道の自由を奪われているように思われる。

旧来の慣習である「記者クラブ制度」であるが、ジャーナリズムを阻害するものとなりえるのではないか。これから、この「記者クラブ制度」が存続していくのか、途絶えるのか、もしくは制度を改め新たな形で再出発するのか。報道の自由やジャーナリズムを考えていく上で、「記者クラブ制度」のあり方も考え直さなければいけないと思った。

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