2010年10月17日日曜日

ネット帝国主義と日本の敗北【矢野】

ネット上の「コンテンツレイヤー」と「プラットフォームレイヤー」の関係について非常にわかりやすく書かれていて、今までの知識を整理するのに非常に役に立った1冊であった。

また、現在のGoogle、Yahoo!などのポータルサイトがいかに力を持っているかを再認識させられ、日本がそういったポータルサイトを世に出せていないことに危機感を感じた。保守的・内向的という国民性を持ってしても海外のものを積極的に使ってしまっているのは珍しい感さえあるが。
それだけもうそれらのサイトが浸透しきっているということだろう。
影響力の強さゆえに現在の収益システムを急速に変えられないのも無理はないと思った。

当分は日本のコンテンツ産業も自助努力によって収益を得ていかなければならないと感じた。
日本は現在コンテンツ大国として世界に名をはせるようになったが、質の良いコンテンツをただ作っていけばよいというわけではない、それをよりよい形で売っていかねばならない、むしろそのことが大事なのだと感じさせられる。(質の良いコンテンツを)作る→多く高く売る→収益を上げる→インセンティブとなる→作る→・・・という循環がなければそもそもコンテンツを今後発信できなくなるのだ。しかも、コンテンツというのは単なる営利組織で潰れたらそこでおしまい、というわけにはいかない。コンテンツとは文化であり、時に国民性の形成に関わるところでもあるのだ。
これを日本は当分の間自助努力によって守っていかねばならない、そしてその重要度は極めて高いと感じた。

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